今まで小田原に訪れた時のことを振り返る。小田原城の紫陽花もしくはショウブ、小田原フラワーガーデンの梅、もしくは美味しいお魚、もしくはコミティア前日にアニメイトでティアズマガジンを買うというピンポイントな目的で来ていたので、町全体のことは知らなかった。だって広いし、市内に18個鉄道駅があるらしいし(そんな多いことある?)
そう、今日は小田原に来た。友人と話したいことが溜まっている、というだけで計画は考えていなくて、Googleで「小田原 ランチ」と検索したときの選択肢の多さにびびった。
お昼ご飯や気になっていた本屋さんを頼りに、小田原城の外周から一本道を挟んで大回りに進むような形で歩いた。
ひとつひとつの建物はもちろん、平坦ながらお城を中心に伸びる道路の流れからも町の歴史が滲み出ているように感じた。
テトリスのミノ、ブロックスのブロックみたいな形をしたアーケードが並ぶ風景は日本の観光地らしいが、雨の平日は人がいなくて、小田原城の方からは「ギャ」「ムギー」「ギャッ」みたいな水鳥の鳴き声が聞こえてきて、なんというか、観光地にもこういう時間があるし、春ってこういう日もあるよな、と一歩一歩大袈裟に踏みしめていた。そういえば去年一人旅で京都を歩いたのもこの時期だったし雨だった。



運命を感じて入った建物。どう運命なのか、かいまやさんには説明できないのでこっちのブログに上げるしかなかった。嬉しくてお店オリジナルの巾着や入浴剤も買ったけど、そこまでテンションが高い理由は同行してた友達にも説明できなかった。巾着にも使われている看板の「藥」の文字ときめきすぎる。
お店の方が出てきてくれて、江戸時代のころからお店とこの建物の歴史が続いていること、百味箪笥のこと、百味箪笥を片っ端から開けていく小学生のことを楽しく教えてくれた。
このお店は「小田原街かど博物館」という街全体を見て学べるような取り組みに参加しているそうで、スタンプラリーに押してもらった絵柄に薬研のあしらいがあって激アツ。語彙ない。また来たい。
https://www.minatonohito.jp/book/420/
書店・南十字さんで買った本。ZINEや古本の取り扱いもあって、手元にいたら嬉しいなという本からじっくり読み込みたい本まで目移りしまくってかなり迷いながら選んだ。それを友人と店員さんが(ゆっくりでいいよ)という目で見守っていてくれて(いるような気がして)嬉しかった。
友人とは最後まで、今日の気温湿度と近いようなテンションで話すことができたので気分が楽だった。ただ、その調子は私たちにコントロール出来ない見えない力が動かしている気がして、なかなか不思議な感覚だった。人はこれを気圧と呼ぶんでしょうか。
